またも安直に十字ボタンの断面がコマのような形だからコマ型です。
十字ボタンの中では古い部類の構造です。ケースの表に出ている形状が十字だったり円だったり、PSのように一見独立しているように見えたりするものとバリエーションが多いですが、内部の構造はどれもほぼ同じ構造です。
部品構成が少なく、カサ型と違いケースとの接触部分も少ないので耐久性が高いのが特徴です。 コマの中心軸と基板の間に隙間があるのは、これがピッタリと基板に接触しているとビクとも動かなくなってしまう為で、殆どの製品で入力されていない状態の十字ボタンはコマの部品がラバースイッチに押し上げられている形になっています。そのため、入力時は全ての方向のラバーが半押しの状態になっているので、ストロークが浅くクリック感に乏しいのが欠点です。
特定の方向に入力するとその逆方向に軸がずれるような形になり、コマの中央にある軸は実は単なる支えであって中心軸ではないことがわかります。入力感はストロークの低さからか、カサ型と異なり斜め方向の入力が少々甘く感じられます。
なんでもいいや〜と安いパッドを買ってくると、十字キーの中心を押すだけで全部の方向が入力されてしまうマヌケな製品に出会うことがあります。これはコマの中心軸が短すぎてラバーが半押しを通り過ぎて全部押されてしまうヘボな構造のため起こります。実はこの不具合を抱えているパッドはかなり多く、なんで試作段階で気が付かないか全く以って不思議でなりません。
ちなみに、コマ型だけでなく、カサ型でも土台とカサを繋ぐ軸が長すぎて同様の不具合を起こす物もあります。売る前にちょっとは自分で使ってみた方がいいんじゃないでしょうか?>PC用パッドのメーカー様