最近、巷では「PC用ジョイパッドには最強なし」といった意見が多く見られます。理由は様々ですが、持ち難くて使いにくい、十字キーが使いにくい、連射が遅い、レスポンスが悪い、といった意見が多勢のようです。
我々も今まで色々なPC用コントローラを買ってみましたが、やはり「どれもパっとしないなー」というのが正直な感想で、その不満が積もった事がサターンパッドUSB化基板等々を作るキッカケであったりもします。
で、今回の実験ですが、PC用ジョイパッドに悪い印象を与えている理由の一つ、レスポンス問題について調べてみます。サターンパッドUSB化基板の説明に「USBパッドの連射速度限界を調べたい」といったような事を書いたのですが、それを実践しつつ比較対照として手持ちのジョイパッドを用いて色々なジョイパッドのレスポンスを調べてみよう、というのが主旨です。
今回の実験に用いた機材とソフトウェアです。
実験機:Celeron800Mhz搭載AT互換機
(マザーボード:Shuttle FV-24/メモリ:384Mbyte/USB1.1)
OS:Windows2000SP3
実験用ソフトウェア:JSTEST v2.55
そして今回の目玉。
第三科学研究所製「連射速度限界測定装置(非売品)」
これらを用いて実験を進めて行きます。
一言で言うと物凄い速度でスイッチのON/OFFを繰り返す装置です。
あるジョイパッドがあったとして、その処理速度限界を調べる際に人間の手で連射していてはデータにばらつきが有りますし、かといってパッド自体の連射機能には上限設定がある上にパッドごとに連射性能が異なっていたりしますからあてになりません。そこで電子スイッチを使用して強制的にパッドのボタン端子の両端を導通/遮断を繰り返させる事でそのコントローラが持つ本来の最大連射性能=入力に対するレスポンス性能を計ろうというのがこの装置の目的です。
この装置を用いる事で最小で毎秒4発、最大で毎秒約200発までジョイパッドを強制的に連射させます。
各スイッチの機能は左から次の通りです。
200発出力中の写真。
8個のボタンと方向キーの各方向に直接チェックピンを繋ぐのでジョイパッドは凄いことに。
まず、計測したいジョイパッドを分解し、基板を剥き出しの状態にします。そして各ボタンと十字ボタンの両端にチェックピンを接続すれば準備OKです。2軸10ボタンのジョイパッドまで対応できます。
チェック項目は次の通り
装置をパッドの基板に接続した状態で装置の電源を入れます。そしてボリューム(メイン)使って連射速度を調整します。連射速度がパッドの処理能力を超えると信号を受けきれなくなるためにjstestの値が徐々に低下して行くので、ボリューム(サブ)で微調整して周波数カウンタの値とJSTESTのmax表示が一致する最大値を探し出します。
さらにこの状態で方向キー連打スイッチをONにすることで限界速度連射で動作中にレバー操作を行った場合の安定性を計ります。
実際にゲームをする場合には最大速度の連射をゲームソフトが認識できるとは思えませんので、手入力の限界に近く、かつ必要充分であろう値である毎秒20発程度の安定した連射信号をジョイパッドの全てのボタンに与えてJSTESTで表示される数値のぶれを計測します。
また、最大速の場合と同様にレバー操作を加える事で発生する処理の低下も計測します。
装置はボタン側に接続される為、連打した信号はジョイパッド内部のチップを通過するので、ジョイパッドの性能や特性を知ることができるわけです。
ではさっそく、計測してみましょう。